のりしろと脚注のはざま

のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

言いマチガイは、やがて正しいニホン語に。

またまたテレビの話で申し訳ありません(って、なぜ謝るのか自分でもわからない)。日曜日、TBS系「情熱大陸」見ていたんですよ。この番組、大好きです。
余談ですがローカルのTV制作に携わるワタクシ、ドキュメンタリーの仕事の場合、最初の打合せの際「ちょうど『情熱大陸』みたいな感じで○○さんを追っかけます」なんて言うと、取材相手の○○さんは「はぁーなるほど」なんて言って、テレビ画面の中の、ちょっとカッコイイ自分を夢想して、その後いい感じで撮影に入って行けたりします。・・・・ありがとう「情熱大陸」。それにしても「みたいな感じ」って、メディアに携わる者のプライドはないのか私には(ハイ、あまりないです)。

それはさておき、その「情熱大陸」に女子プロゴルファーの上田桃子が出ていました。上田桃子は地元出身ですし、学生の頃から注目されていた子なので、わりとよく知ってます。負けず嫌いで根性があってトークも切れる、もちろん実力も。優等生っぽい藍ちゃん、しのぶちゃんより、メディアに乗った時の面白味はバツグンです。
ちなみに彼女、ちょっと大きめのお尻を自ら「桃尻」と呼んで、誇りにすら思っているようです。あのしっかりしたお尻が、安定したスウィングを生み出しているんでしょうからね。

この番組でも、いろんな楽しい「桃尻語録」が飛び出していましたが、番組も佳境、重要な大会前日のインタビューで、意気込みを様々に語った末に彼女、
「ここが、シュウネンバでしょうね」
ってなこと言いました。

・・・・シュウネンバ?

まあ、まさに「執念でガンバる場」っつーことでは「執念場」でしょうけど、ここはやはり「正念場」と言うべきところ。

細かいこと言わんでイイじゃん、別に重箱の隅つつかなくても、・・・と思われるかもしれませんが、こういう「言いまつがい」(@糸井重里)って、インタビューなどではけっこうよくあるので、非常に興味深いのです、これを撮影し、編集した際のディレクターの心持ちが。
担当ディレクターは撮影時に気づかなかっけど編集の際に「シューネンバ」って言ってることに気づき、このコメント入れるか外すか、一瞬躊躇するが、
「ま、視聴者は空耳だと思うよね?」
という希望的観測のもと、このコメントを使ったのかも。
あるいは、撮影時に既に気づいていたけど、正念場を執念場と言い間違えることも含めて上田桃子らしい、とナットクして(?)入れたのか。
あるいは、撮影時にも編集時にも気づかず、オンエア見てもまるで気づいてないか、さらには担当ディレクター自身も「シュウネンバ」だと思い込んでるとか??
・・・と、いろんなパターンを想像(妄想?)するのに忙しく、番組終盤、あんまり覚えてないくらいです。オイッ(^^;)

そういえば、トリノ五輪の時だったか、女子モーグルの解説者が「さー、ここからが里谷のドクダンバですねー♪」って連呼してヒンシュク買ったことありましたっけねー。
ドクダンバ、しばらく周りで流行りました。
でもこの「独壇場(ドクダンジョウ)」って言葉も実は「言いまつがい」で、
かのNHK放送文化研究所も、
『本来は「独擅場(どくせんじょう)」ですが、「擅<せん>」が「壇<だん>」と誤読されて、「どくだんじょう」という言い方が定着しました。今では表記も「独壇場」が一般化し、放送でも「独壇場(どくだんじょう)」を使っています』
と記してます。

言い間違いが一般化すると、やがてそれが正しいことになっていく、・・・ってことは、ドクダンバもシュウネンバも、この先、正しい日本語にならないとも限らない(のかな?)

そうそう、この猛暑の夏、ニュースでたびたび耳にした「この炎天下のもと・・・・」「この炎天下の中・・・・」って表現も気になります。「炎天下」の「下」は「・・・のもと」って意味だからホントはおかしいと思うんですけど、どんな番組でもフツーに「炎天下のもと」「炎天下の中」って言ってるもんだから、もうコレが世間の常識なんですかい? と少々黄昏れた気分に浸ったりもした、2007年、夏でした。