のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

のりしろと脚注のはざま

のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

「もったいない」は免罪符じゃない

相変わらずですねぇ、この方。信用は地に落ち、老舗料亭としての存在価値はほぼなくなってしまいました。

「食べ残し」と言わないで 使い回しの船場吉兆おかみが注文 [ 05月08日 共同通信 ]
全店で食べ残しの料理の使い回しが明らかになった大阪市の高級料亭船場吉兆民事再生手続き中)のおかみ湯木佐知子社長(71)が、「食べ残し」ではなく「残された『お料理』としてほしい」と報道に注文を付けている。使い回しにつながった湯木正徳前社長(74)の「もったいない」の考えを受けたものとみられるが、わざわざ料亭を訪れる顧客を無視した発言とも受け取れ、あらためて飲食店としてのモラルを問われそうだ。

昨日乗ったタクシーの運転手さんが言ってました。
「お客さん、船場吉兆行かれたことありますか? 私ゃ食品偽装より腹が立ちますねぇ。『手を付けずに残された料理』って言いますけどね、お客さんの前に並んでた料理ですよ、当然ツバだって飛んでるんですから。・・・あそこ1人4〜5万取るんですよ。それで使い回しの料理出されちゃタマランでしょ?」
おっしゃる通りです。

・・・・なんてぇーの? 私は高級料亭などにはそれほど行ったことないですけど、ヒトが高級料亭で食事するってことはですよ、ただハラ減ったから食事するんではなくて、その空間だったり、行き届いたサービスだったり、盛りつけだったり、素材の良さだったり、ちゃんと正しく手順を踏んで調理された一品一品の味わいだったり、・・・ま、そのような全てをひっくるめて、これだけの高額料金支払う価値アリと判断してるんだと思うんですよ、とりあえず。

それともあれですかね、船場吉兆なんてとこは、モノの味もわからないくせに、値段高けりゃいい店だと思ってるエライさんが経費で飲み食いしに行くところなんでしょうか。経費で食ってるからありがたみもなく、ヤツら平気で食べ残す、それを強欲店主が「手ェ付けてへんしモッタイナイやろ、もっぺん揚げて使わんかいな」と指示、・・・・みたいな。これはありそうな話ですねぇ。

極端な話、お金を払う以上、出てきた料理を残すのはお客の自由なんだし、お店にはそれを再利用する権利はないですよね。食べ残しを「もったいない」と思うなら、残さず食べてもらえるにはどうしたらいいか考えてほしいですよねタテマエ論だけど。

「お客が手を付けず、残された『お料理』」であるエビ天や刺身のツマその他を調理し直して再登板させるってことは、お客にとっては単にエビ天分や刺身のツマ分の損失じゃなく、ものすごく大きな裏切りを受けることですよねぇ。

船場吉兆みたいな大きいところもやってるんだから、他のお店もきっとやってるよね」って声聞くでしょう最近。こういうことって、時々ふっと思わないでもないことですけど、一応「ありえないこと」として、「ヒトはそんなヒドいことはしないものです」という性善説でもって言下に否定して平和が(?)保たれているというのに、あのおかみったら企業ぐるみで認めたばかりか正当化しようとさえします。まったく世のモラルは台無しです。