のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

のりしろと脚注のはざま

のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

ラスト、コーション

えー「風のガーデン」のラストを不満そうに論評してしまったワタクシですが、金曜10時「流星の絆」の最終回にはグッと来ました。あれって東野圭吾の原作とは犯人が違っていたようです(読んでません、すいません)が、良かったです、クドカンはやっぱいいです。二宮くんはスゴイ役者ですねぇ。
とまぁ好きと言いつつ全然説得力のないドラマ評じゃん? ま、要するに好みの問題です。今季のドラマで最初から最後まで気に入ってるのは「流星の絆」と「SCANDAL」かなー。後者は明日が最終回です。どうなるんでしょう? ワクワクします。

話変わって劇場で見逃していたアン・リー監督の「ラスト、コーション」をようやく観ました。これアレですねー、原題は「色、戒」で、「ラスト」は「最後の=LAST」じゃなく「色、色情=LUST」だったんだー(と今気づく)。「コーション」は「警告、注意」ですよ。まさにタイトル通りの映画なんですが。

いやーもう、正直びっくり。綿密な時代考証の元、主演女優タン・ウェイがノースリーブのチャイナ服なんだけど脇毛生やしてます、しかし、そんなことは驚くに足らぬこと。もう他にもいろんな毛が、いや、申し上げたいのはそういうことではなく、もうね、トニー・レオンとタン・ウエイ、まさかホントにヤッてませんよね? と2度見してしまうほどリアルな性描写。
私PCでこの映画を鑑賞しておったのですが、横を通りかかった息子が見てはイケナイものを見てしまったよーな感じで顔を背けて去っていきました。・・・いや、あのね、これはアン・リー監督作品だし、スゴイ映画祭で金獅子賞とか取ってるし、断じて、AVじゃないのよッ!と、心の中で言い訳してる私は何を恥じていたのでしょう、まったく。

タン・ウエイは1万人のオーディションで選ばれた新人女優だそうですが、本当にみずみずしく、いい意味の緊張感いっぱいに難役に挑んでおります。ちょっとだけほしのあきに似ていると思うんですが、ほしのあきは出来んだろうね、この役は。

そしてまぁートニー・レオントニー・レオンを渋いアクション俳優と思ってこの映画見ると狼狽してしまうかもしれませんねぇ。よくやったなー。けして、高橋克典みたいな、脱いだらスゴいカラダじゃなく、フツーに中年な感じの体をさらして、なんかもうものすごくリアルで不思議で濃い、今まであまり見たことないよーなベッドシーンを演じております。すごい人です。

ここまでやらんでも、・・・と思わなくもないのですが、いやしかし、この映画には必要なんですよ、このしつこいくらい濃密な感じが。だからこそ後半の息を飲む展開が生きてくるじゃないですか。切ないじゃないですか。
そこに愛はあったのか? ・・・・・あったと思います。SEXから始まる愛はあるのか?・・・・・あると思います。

この作品総製作費40億円なんだそうです。そんな派手さは微塵も感じさせず、きっちりかけるべきところにお金をかけ、時代の空気さえ再現してるのがすごいと思います。そーいや「三丁目の夕日」も上海に昭和の風景再現したんでしたっけね、CGバリバリで。