のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

のりしろと脚注のはざま

のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

今日も元気

いやーオドロキ。

今日(日付変わって昨日だけど)は地元でも秘境と言っていい、現に平家落人伝説の里とも言われてる泉村のとある集落で撮影。

いや“村”じゃないんだな、もはや。平成の大合併で某市「泉町」になったんだ。
でも“村”だよねーどう見ても。まぎれもなく“村”だよねー。

すり鉢の底のような形状のその集落には「何でも売ってる」店が1軒だけありまして。「何でも」って定義がかなり偏向してるとはいえ、お茶菓子つったらポテチとのど飴しか売ってないとはいえ、たぶんその店は集落にとって重要基地なのよ。

カリスマ店主(83歳♀)のもとには毎日4人のおばあちゃんがやってくるのさ。いずれも夫に先立たれ、子供らは就職結婚などで地元を離れていて1人暮らし。ばあちゃん達は日がな1日、店先のストーブ囲んでずーっと喋ってる。

全員、耳が遠い(かなーり遠い)。自分の言いたいことを喋り、人の話には曖昧に相づち打つだけ。会話のつながり具合はかなりシュール。・・・・・ケンカにならなくていいねコレww

この店に「毎日同じ顔が揃う」ってことが大事なんだよね。専門用語(?)で言うと「生存確認」。「今日も1日ナニゴトもなく元気でした!」とゆー帳面消し。

だってですねー、ばあちゃん達それぞれ、ものすごく険しいとこに住んでるんです。

ヨシ子ばあちゃんの家を訪ねたんですけど、竹藪と野生化した(?)茶畑の間の細い細い急坂をエンエン下っていくのさー。斜度はスキーのジャンプ台かそれ以上の急峻な、ジグザクの坂(伝わるか? 伝わるまい)。

まさに、すり鉢の底の底。

坂道ってさー、上りもキツイけど下りはもっとヒザにこたえるじゃん!しかも真冬は凍るってさ、この坂が。ヨシ子ばあちゃんにとっちゃ唯一の生活道路よ、この坂が。

で、まーこのヨシ子ばあちゃんの家が、私もそこそこ古い人間ではあるけれども、今まで生きてきた中で見た、最も古い家?みたいな。
老女1人暮らしにはどーにもデンジャラスな間取り。ガスコンロはあるけどカマドもある、どっちもあまり使ってる形跡なし。何食っとるのヨシ子!
(いわく「ご飯ば炊くなら田舎だけんおかずはどぎゃんかなるとです」とのこと)
風呂はこの辺じゃ「天日」と呼ぶ太陽熱温水器がついている。でもそう頻繁には入れないのかも。トイレに至っては、・・・・想像するのがオソロシイ。
そこに1人暮らしのヨシ子ばあちゃん。百何十歳なわけじゃなく、70歳代。うちのハハと同年代だ。

あんまり脈絡ないけど「ロハス」って何ですか一体? って思っちゃいました。

私が取り組んでるPRビデオつったら「地域のふれあい」とか「ささえあい」とか、まーありがちな言葉を散りばめて現実の表層を撫でてるだけなのかもなー、なんてことを思ったのでした。