のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

のりしろと脚注のはざま

のりしろとのびしろは似てるけどだいぶ違う

キャラの立った生き方が魅力ですね、マダム

えー、私はとある地方都市で映像を作る仕事をしております。
おもにテレビの特番とか企業のPRビデオを制作してるんですけど、5月から関わってる仕事で出会った女性社長、仮にマダムHと呼びますが、このマダムHがまぁ〜、これまで会った多くの人々の中でもダントツの、強烈キャラなんですねー。

ま、業種など書いちゃうと、このご時世、どこからかすぐに人物が特定されてしまうんで、あまり詳しくは書きませんが、私たちはカレーなる女社長、マダムHのPVを撮影してるわけ。ま、一応、企業PRビデオなんですけどー、 基本的に「マダムH礼賛」「starring マダムH」「今宵マダムHとともに」「マダムHとあそぼうトンチンカン♪」 ・・・・な、ビデオですので、マダムHのPVと言うのが正しかろうと思うわけです。 

マダムHの化粧は、ある種、特殊メイク。
下まぶたのキワの太いアイラインで、目の大きさを2倍に見せています。
・・・まぁあの、天童よしみの目化粧をさらに高度に、高濃度にした感じですか?

そのラインが、・・・・よくにじむんですよー。
専属のヘアメイクさんが、それはもう必死に手直ししてくれますけどね(^^;)

で、シャネルの白いミニワンピとか着こなしちゃうんだけど、 ・・・・ストッキングの色が、妙に、透け感のない濃茶色。

脚を細く見せたいようです。

・・・・・ぢゃ、ミニ履かなきゃいいのに、・・・・あわわわ(禁句)

言っては何ですけど、膝頭にどーしても年齢が、出ます。


オープン(戸外)の撮影ともなりますと、マダムHおよび取巻きの皆様がモニターチェックしつつ大騒ぎ。

幹部A「シャチョー、目が開いてません!ちゃんとパッチリ開けて!」
マダムH「だって、まぶしいし・・・・・」
幹部B「この、眉の間のスジは何だろう? いつもはないよねー?」
幹部C「ホントですねー、何でしょうねー?」
マダムH「なんだろーねー??」

えっとー、・・・皆さん、それは「シワ」ですよw
しかもフツーに表情ジワですから多少あってトーゼン、年齢的にも・・・・・。


マダムHは天真爛漫なので、社員の皆さん、そして私ら撮影隊が、「シャチョー、きれいッ!」「かわいいッ!」「細いッ!」 と言ってあげるとご機嫌なのです。

渦巻くナゾ。

こーゆー物件はたぶんねー、 ホメ上手でラテン系な男のディレクターがやった方がいいと思うんだが(-_-)


そんな初夏のある晴れた日、この日はなぜかハイキングの撮影。
「自然をこよなく愛するマダムHの図」を撮りに行くのだ〜(爆

山道。往路1時間。

汗もかくわなァ〜。(アイライン、大丈夫かな??)

日が照れば、まぶしくて眉間にシワ。

雨降れば、命のアイメイク崩壊。

アウトドアは、キケンですマダム!

しかしまぁ新緑の木陰は思いの外気持ちよかったし、駐車場から30分くらいの山歩きはちょうど心地よい運動。 マダムHもすこぶる上機嫌。
山の中は気温も低く、大汗かく間もなく到着。
懸念されたマダムHのメイク崩れも無問題、ホッとするやら残念やらw


でもねー、このハイキングのシーンは最終的にボツになりそうです。
マダムHいわく「これって私がフツーのオバサンみたいに映ってる」と。
要するに、マダムHは「カリスマ」なのだから親しみやすさはイラナイ、っつーことなんですね。
会社の幹部に言わせると
「社長(マダム)はお客様にとって『この世にいない人』のようなイメージなんです」
とのこと。

・・・・・・この世にいない人ォ〜〜??

ま、まぁ〜その形容はある意味正しい、・・・が、ちょっと使い方間違ってるような気が、しないでもない。

ま、そんなこんなで、PVは方向性を若干(いやかなり)転換して、にわかに高級イメージを目指すことになっちゃったんですけどね、・・・なーんか納得いきません。
会社やマダム自身が標榜するセルフイメージと、実際の映像に映るものが、あまりに、違うんだってば! そこのギャップをどう埋めればよろしいのでしょう??

撮影はこれからが本番。どうなるんじゃい! (つづく・・・?!)